DNS(ネームサーバー)サーバー移管・切り替え・浸透などについて
2018/11/9
DNS(ネームサーバー)とは
インターネット上のコンピュータ同士が通信する際には、「52.196.97.74」といった数字をピリオドでつないだ「IPアドレス」と呼ばれる番号によって通信相手を特定しているのですが、このような数字の羅列を人間が識別するのは非常に困難です。そこで、人間が覚えやすいように「no1web.jp」といった文字列からなるドメイン名が利用されているわけです。ドメイン名を使ってインターネット上でやりとりを行うためには、
これをコンピュータ同士が通信するために必要なIPアドレスに変換させなければなりません。
このドメイン名とIPアドレスを対応づける仕組みがドメインネームシステム(DNS)であり、「インターネットの住所録」にあたります。
▼DNSにおける名前解決の方法
DNSを使って、あるドメイン名からそれに対応するIPアドレスを引き出すことを「名前解決」と呼びます。以下の図は、ユーザーが「www.no1web.jp」のウェブサイトにアクセスしようとした場合に、実際にどのようにして名前解決が行われるかを示しています。
DNS移管・移行・トランスファー・引っ越しとは
サービスプロバイダーやレジストラ(JPドメイン名では指定事業者)の変更に伴い、その対象となるドメイン名の権威DNSサーバーが変更されることを、「DNSサーバーの引っ越し」と呼ぶことがあります。簡単に対象となるドメイン名の現DNSサーバーを新DNSサーバーへ移管のことです。
例:A社でDNSサーバーを管理しています。これからB社へDNSサーバーを移管します。現在A社のご利用しているDNSサーバー名下記の通りになっております。
- ネームサーバー(NS)1:a.ns1.example.com
- ネームサーバー(NS)2:a.ns2.example.com
B社のDNSサーバーへ移管する際にネームサーバーを下記の通り変更します。
- ネームサーバー(NS)1:b.ns1.example.com
- ネームサーバー(NS)2:b.ns2.example.com
DNSの切り替えについて
DNS の切り替えとは、ドメインの指し示すサーバーの情報を書き換えることです。DNSサーバー上で登録されている情報をDNSゾーンレコードと呼ばれます。
▼DNSゾーンレコードとは
DNSサーバーは、DNSゾーンレコードを設定して働かします。代表的なDNSゾーンレコードは下記の通りです。
レコード名 | 目的 |
---|---|
A | ホスト名+ドメイン名にIPアドレスを関連づける |
CNAME | ホスト名+ドメイン名の別名のものに転送する |
NS | 別のDNSサーバーに処理をさせる |
MX | ホスト名+ドメイン名でメールが使えるようにする |
TXT | 認証などができるようにする |
簡単にいうと、対象となるドメイン名の新WEBサーバーIPアドレス、新メールサーバーIPアドレスなどを指定することです。
例:現在、no1web.jpドメインをA社のサーバーをご利用しています。
ホスト名 | レコード区分 | 値 |
---|---|---|
@ | A | A社のWEBサーバーIPアドレス |
www | A | A社のWEBサーバーIPアドレス |
A | A社のメールサーバーIPアドレス | |
MX | mail.no1web.jp |
B社の新サーバーへ移管する際にレコードは下記の通りになります。
ホスト名 | レコード区分 | 値 |
---|---|---|
@ | A | B社のWEBサーバーIPアドレス |
www | A | B社のWEBサーバーIPアドレス |
A | B社のメールサーバーIPアドレス | |
MX | newmail.no1web.jp |
書き換えた情報でDNS浸透するまでに待つのが必要です。
DNS浸透とは
ドメイン情報の書き換えを行うと、その情報が世界中の DNS サーバーに行き渡ります。しかし、反映されるタイミングは、各 DNS サーバーによって異なるため、新しい情報を持つ DNS サーバーと、以前の情報を持つDNS サーバーが混在することになります。
この期間をドメイン情報反映期間(プロパゲーション)と言います。ドメイン情報反映期間中は、 旧サーバーと新サーバーのどちらに辿り着くかわからないため、両方のサーバーにホームページを用意する必要があります。また、メールも両方のサーバーに届いてしまうため、 両方のサーバーからメールを受信する必要があります。
一般的に反映期間は、30分~5日間程度と言われています。
メール設定・変更について
DNS切り替えでメールサーバーが新規メールサーバーへ変わりますとご利用しているメーラアカウント設定も変更(再設定)が必要となります。
メールサーバーが変わりますので現メールアカウント設定情報(送受信サーバー名、メールアカウントパスワードなど)でメールが使えなくなります。
※ちなみに、送受信サーバー名、それぞれのメールアカウントパスワードの変更がない場合は、現メーラ設定でそのままメール送受信ができることもあります。
DNS切替は完了ですが、新しいHPが表示されません。原因は何でしょうか?
原因として下記の2点を考えられます。
- 端末上でのLocal DNSキャッシュが残っています。
- ご利用しているネットワーク(ルーター、スイッチなど)のキャッシュが残っています。
まとめ
ネームサーバー(DNS)は、変更しても即時に反映はされず、一定の時間をかけて世界中のネットワークで順次変更が反映されていく仕組みとなっています。ネームサーバー切り替え中は、メールやホームページがどちらのサーバーに繋がるかを予測できません。なお、DNS切り替えに注意するして欲しいのは、メールアドレスの再設定です。移転元のサーバーにてメールアカウントを作成している場合、移管先側でも同じメールアカウントを作成する必要があります。また、お使いのメールソフト上でも、同じアドレスのメールアカウントを再設定の必要があります。